2年間でゴミ排出量を2割減らした名古屋市
2004年07月26日
先日視察に行った名古屋市は、2年間でゴミ排出量を2割削減するという離れ業を実現しました。
藤前干潟の埋め立てが中止になり、ゴミを捨てる場所がないという危機感を、
住民も市長も職員もマスコミも共有できたことが、成功の最大の要因だということでした。
ひるがえって我が神戸市は六甲山の山奥にも瀬戸内海にもゴミを捨て放題。
埋め立て処分場へのゴミ持ち込み料金も名古屋市の半分以下では、ゴミが減るはずもありません。
以下、私のメモです。
040721名古屋市環境局
名古屋市の人口は220万人(94万世帯)、年間7000人の人口増加
平成9年に年間ゴミ100万トン突破
焼却・埋め立てともに能力の限界に達したため、平成10年に「ごみ非常事態宣言」
当時、名古屋市の最終埋立地である愛岐処分場もあと2~3年で満杯になる見込み
藤前干潟は当初計画12ヘクタールの埋め立てを平成11年に断念
岐阜県にある愛岐処分場の埋め立て容量を60万トン増やしてもらうよう交渉
名古屋市も最大限の努力を求められた
目標は2年で20%のゴミ排出量削減
平成11年はビン・缶の全市収集、指定ゴミ袋制度の導入
平成12年はゴミを入れるコンテナボックスの廃止、容器・ペットボトルの収集
事業系ゴミも紙・ビン・缶の搬入禁止、指定ゴミ袋の導入など
指定袋は市がデザインと大きさだけ決定し、製造・販売は民間業者に任せた
指定袋でゴミ収集費をまかなうのではなく、業者が1枚10円程度で安く販売している
平成12年夏の2ヶ月で延べ2300回の地元説明会を開催、全世帯の24%が説明会に参加
同期間に10万件の問い合わせ電話対応
市が作成した「バカボン・ゴミの達人心得帳」は100万部印刷
スタート当初、ルール違反で敢えて回収しなかったゴミが全体の3割に達した
各地域の保険委員がゴミステーションで厳しく排出指導
名古屋市は全国のプラスチック容器の9%、紙容器の58%を回収
ビン・缶・ペットの回収率も90%に上昇、集団資源回収の古紙も70~85%に向上
集団資源回収に出せない時はNPOのリサイクルステーションや回収車に出せる
資源回収率の向上に伴い、ゴミ排出量は2年で23%削減できた
市民ひとりあたり排出量は907グラムと政令市で最少、ちなみに神戸は1600グラム
容器リサイクル法の問題点
ポテトチップスの筒型容器のように、紙・プラスチック・金属の複合素材が多い
事業系の容器廃棄物の位置づけがあいまい
クリーニングのビニールや、町内イベントの豚汁のカップは「商品の容器」ではない
静脈コストは事業者負担にして、収集選別をする市町村には委託料を出すべき
リサイクルはゴミ処理の1.7倍費用がかかるが、税金なので減量されない
今後の課題
平成22年までにリサイクル率をさらに2割向上させ、ゴミの発生を1割抑制する
レジ袋のうちゴミ袋として再活用されるのは全体の50%
名古屋市ではレジ袋を断れば「エコクーポン」のシールがもらえる
シールを40枚集めれば100円の買い物ができる制度で、お金は店側が負担している
現状2%しか資源化できていない生ゴミは、堆肥化だけでなくガス化を検討
モデル的に7200世帯では生ゴミも分別回収している
地方でできることは限られており、今後は国への提言や他市への情報発信で世論づくり
質疑応答
Q,指定ゴミ袋は実施してみて有効だったか?
A,名古屋大学の八木下教授の研究で「指定袋は意識向上に有効」という結論
Q,ごみ減量政策の広報で最も有効だったのは何か?
A,新聞が連日のようにゴミ分別騒動を記事にしてくれたこと
当時は「ゴミ分別どうしてる?」というのが挨拶代わりに話題になっていた
その他の広報は平成12年に予算2億円をかけて行った
内訳はパンフ類9000万円、テレビCM2500万円、ゴミステーション掲示5800万円
新聞販売店も集団資源回収の広報にボランティアで協力してくれた
Q,一連の政策で住民の消費行動は変わったか?
A,平成13年に行った市民アンケートでは良い結果が出た
以前からしていた 最近そうするようになった
詰め替え容器を使う 59% 26%
リサイクルを考えて買う 17% 65%
エコマークの商品を買う 18% 50%
包装がシンプルなものを買う 16% 45%
買い物袋を持参する 11% 24%
Q,ルール違反で回収されなかったゴミはその後どうなるのか?
A,レッドカードを貼って取り残しても、翌週までそのままな時は仕方なく回収する
Q,ゴミ収集業務の民間委託は進んでいるか?
A,ゴミ収集業務は直営で、車と運転手だけ30%が民間委託されている
資源回収は出向職員と嘱託職員からなる公社に委託、車と運転はさらに民間委託
民営化は外部評価で指摘されたが今後の課題
Q,ゴミ収集業務の大幅な制度変更に対して、労働組合からの反発は無かったか?
A,組合との交渉ではひたすら理解を求め続けた
「ゴミ非常事態宣言」で真っ先に目標数値を発表したので、組合も反対できない
組合員も最後には地域説明会を手伝いに来てくれた