朝日新聞「私の視点」に掲載されました

2006年08月29日

本日、朝日新聞26面(オピニオン面)の“私の視点”コーナーに、
「神戸市議汚職 3つの癒着を断ち切れ」と題した私の記事が、5段写真入りで掲載されました。
朝日新聞の方に「書いてみないか?」と誘われて原稿を提出したのが7月下旬、
あれから1ヶ月経ち、癒着はさらにひどくなっているように感じます。

以下、本日掲載された原稿です。

神戸市議汚職 3つの癒着を断ち切れ (朝日新聞2006年8月29日26面)

4月5日の村岡功・自民党市議団長(当時)の逮捕から始まった、神戸市議会の汚職事件。
市長は直後から詳しい調査もせずに「市に不正なし」と言い切り、手続き上の軽微なミスは認めているものの
「市議の圧力の有無とは関係なく、公共性の観点から政策変更を行った」と強弁している。

一方、7月18日の村岡被告の初公判では検察側が冒頭陳述で、
「市は業者に訴えられれば敗訴する可能性が高いと知りつつ、議員の圧力に逆らえず政策を変更した」と指摘した。
検察が市職員から聴きとった内容と、市の内部調査結果は
「圧力に屈した政策変更かどうか」という点で真っ向から食い違っている。

   ◆   ◆

事件は、村岡被告と長男の市議が産廃処理業者らから依頼を受け、
ライバル業者が不利になるよう市に要綱を改正させるなどし、計4300万円を受け取ったとされる。
表面的には収賄議員と地元の贈賄企業、担当市職員の3者が引き起こしたものだ。
行政と議会与党は、事件をこの小さなトライアングルに押しとどめようとしているが、
私は事件の背後に三つの大きな癒着構造があると考える。

1点目は、市長と自民党市議団長という、2人の「政治家」の癒着である。
自民党市議団ひとりひとりにノルマを課して市長選を全面的に支援した村岡被告は、
市長にとって単なる一議員を超えた〝盟友〟だったのではないか。

2点目は、行政と議会与党という二元代表の組織同士の癒着だ。
議会与党は行政の政策を賛成多数で可決するかわりに、
議会提案の前段階で政策形成に口出しするのが当たり前になっていないか。

3点目は、市長とその〝最大の支持基盤〟とも呼ばれる市職員労働組合との密接な関係だ。
市幹部の不透明な政策変更に対し、労組は職員を守るために断固とした態度をとったのか。

こうした癒着構造を断ち切るためには、あらゆる場面で緊張感と透明性を高めなければならない。
与党だけに事前の根回しや情報提供をするなど、行政が与野党を差別する理由は何なのか。
本会議の質問内容を市長に伝える「事前通告」や、
さらに詳しい内容を市職員が尋ねに来る「質問とり」という悪習も市民には理解が得られないだろう。

議員の口利きだけでなく、市長の指示命令も記録して情報公開の対象とすべきだ。
市幹部の庁議や組合交渉の内容を公開する自治体も増えてきた。
57年間も助役出身の市長が続く、神戸市長選のあり方そのものも見直す必要がある。

   ◆   ◆

今回は検察により贈収賄が立証された。
しかし、不透明な政策変更は他にもいくつか市民から指摘されている。
これこそ今後、政治の場で取り組むべき問題だろう。
議会が市民の信頼を取り戻すためにも、避けて通るわけにはいかない。

そのうえで、最終的には市民が変わらなければ、汚職を生む政治構造は変えられないのである。

    ◇

74年生まれ。無所属市議の会派「住民投票☆市民力」で2期目。

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コメント

  1. 高松市民
    2006年08月29日 20:38

     今日の「朝日」に掲載されたご論考、拝読しました。現在の地方行政・議会が内包している問題点を的確にご提起になっていると思いました。癒着の構造を三点に絞って明らかにされていることにも、同感です。
     とりわけ、三点目の「市長と職員組合との密接な関係」を挙げられていることには、勇気のあるご提起として敬意を表したいと思います。最近神戸市議会と並んでメディアに盛んに取り上げられている大阪市の改革が容易に進まないのも、市長(市議会議員も含めるべきだと思います)が選挙に際して職員やその家族の票の行方を怖れるがゆえであるのは、すでに衆知の事実です。
     そうしたなかで、井坂議員がこの癒着の構造をもタブー視することなく、世間に問題提起されたということは、議員の行政・議会改革への思いの本気度が伝わってきて、一読明るい気持ちをいただきました。
     神戸市といえば、私たち地方都市とは違って、行政職員も市議会議員も自らの模範として仰ぎ見る存在だと思います。わが高松市にも植田真紀さんという改革に苦闘されている尊敬すべき議員がいますが、どうかこれからも、絶えざる改革のメッセージを神戸より発しつづけていただくことを願っています。 ただ、「最終的には市民が変わらなければ、汚職(=癒着)を生む維持構造は変えられない」とあるのには、その市民の意識を変えるのは市長や議員の責務でもあることを訴えたいと思います。
     
     

  2. いさか
    2006年08月31日 02:55

    高松市民さん、コメントありがとうございます。
    「議員が市民を変える」と書くとおこがましいような気がして、あのような書き方にしましたが、
    おっしゃる通り、市民意識を変えるのもまた議員の仕事ですよね。

    P.S.植田議員とは立候補される前から親しくさせていただいております。

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