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1999年9月10日
 航空安全会議の要請書
●航空安全会議とは?
●大阪湾上空は狭くて特殊な空間
●六甲おろしの乱気流の影響
●関空ルートと完全に重なる着陸ルート
●低空飛行で明石大橋を越す出発ルート

1999年11月4日
 
神戸市の回答 (たった1枚!)


1999年11月24日
 
「航空安全会議 vs. 神戸市」議事録

 

 

空安全会議とは?

私たち航空安全推進連絡会議(略称:航空安全会議)は、
官・民の航空労働者64組合、 約2万2000人のパイロットや管制官で組織され、
1966年の結成以来33年にわたって民間空港の安全確保と航空事故の絶滅のために
運動を進めてきた団体です。

私たち航空の現場で働く者は、神戸空港について、伊丹空港・関西空港との関係から
飛行の安全の観点で大きな不具合があると考えています。
この件に関しては1995年12月22日に神戸市長に意見書を提出し、
気象条件・管制・空域に関しての安全上の問題を指摘し、文書回答を要請しましたが、
神戸市からは何の返答もありませんでした。

1996年4月に出された「環境影響評価書」以外に、
神戸市の航空安全についての考えは発表されておりませんので、
この「環境影響評価書」の内容に関して、改めて管制・空域の不具合を述べ、
神戸市の責任ある回答をお願いしたいと思います。

 

阪湾上空は狭くて特殊な空間

航空機の安全確保のためには、飛行ルートの両側はもちろん、
その上下にも法的に定められた間隔を設定する必要があります。
具体的には、航空機同士の高度差は300m以上、
地上の障害物からは600m以上離れていなければなりません。

大阪湾上空は、出発機の速度であれば3〜6分で通過してしまうほど狭い空域で、
しかも六甲・生駒・紀伊山系と3方を山岳障害物に囲まれているため、
淡路島方面からしか出入りができない特殊な空間です。
さらに、神戸空港の予定するルートには、高さ283mの明石大橋もできました。
神戸市の説明では、他国の例としてニューヨークやパリの複数空港を挙げていますが、
山岳による地形上の制約に関しての記載が全くありません。
比較条件としては不適当であり、訂正して正確な情報を提示すべきです。

神戸空港の強引な建設計画に関して、 以下の具体的な質問についての対応策と、
この位置に空港の建設が可能だと判断した根拠、関係機関への計画説明の内容、
また、どのような条件で運輸省の飛行場設置許可が下りたのか、回答願います。

 

甲おろしの乱気流の影響

1995年の意見書で 「六甲おろしの影響で神戸空港予定地の真上にロール雲
(乱気流のある所に発生する雲)が観測された」と指摘しましたが、
神戸市の「環境影響評価書」には「かつて運輸省で風洞実験が行われ、
空港に支障がないとの結論が出ている」 と書いてあります。

運輸省のどの部署が、いつ実験を行い、どのような結論と報告書を出し、
それは神戸市その他に公表されているのでしょうか?

 

空ルートと完全に重なる着陸ルート

明石大橋の上空から神戸空港の南側を通過して、
その後Uターンして東側から神戸空港に着陸するルートがありますが、
ちょうど真上を関空の着陸ルートが高さ600mで通過しています。
この関空機との高度差300mを確保するためには、神戸空港の着陸機は
地上わずか300mの高さを飛ばなければなりません。

この高度300mというのは、私たちが何度も危険性を指摘している那覇空港と同じで、
しかも神戸空港では、この高度のままUターンをしなければなりません。

 

空飛行で明石大橋を越す出発ルート

神戸空港から西向きの出発ルートも、高度300mの水平飛行を続けた後、
急上昇して高さ283mの明石大橋を飛び越さなければなりません。
低空水平飛行の間は、飛行機のフラップ(高度調整翼)を下げたままという、
異常な飛行方法が続き、通常の飛行方法では考えられない騒音も予想されます。

神戸市の「環境影響評価書」の中には、
「那覇空港などの国内他空港の事例から見て、安全上問題ない」と書かれていますが、
那覇空港は私たちが「最も危険な空港」として何度も改善を求めてきた空港であり、
その空港と同じ飛行方法をとらなければならないならば、
むしろ、神戸沖は空港の立地として不適当であると言わざるを得ません。
「那覇空港など他空港」という、同様な空港がいくつもあるような誤解を与える記述は、
もし事実でないのであれば訂正すべきです。

 

 

戸市の回答 (たった1枚!)

 

神港空空第86号  
平成11年11月4日  

  航空安全推進連絡会議
  議長様

神戸市港湾整備局  
空港整備本部長  

 

1999年9月10日付 航安第33‐33号
「神戸空港の安全確保に関する要請書」への回答


  神戸空港の空域の設定にあたりましては、関西国際空港の「3点セット」の
 基本的な考え方を踏まえ、航空管制の所轄である運輸省のご助言、ご指導のもとに、
 大阪湾から播磨灘にかけて広域的な範囲で空域利用を図るための調整を行い、
 平成6年12月に地元の基本的なご了解を得るに至りました。
 また、安全面、環境面で問題がないということで、すでに、運輸大臣から
 飛行場設置許可をいただいております。

  なお、平成10年12月3日から実施されている関空の新飛行経路につきましても、
 神戸空港開港後の空域と整合性の取れたものとなっており、
 運輸省において管制シミュレーションが実施された結果、関空2期、伊丹、神戸の
 3空港の管制処理は、安全性に問題はないとの結論を得たと聞いております。

 

 

  「航空安全会議 vs. 神戸市」議事録

1999年11月24日 9時15分〜10時20分

航空安全会議 (本部議長、事務局次長、大阪支部議長、ほか)

神戸市 (空港整備本部参事、ほか)  

神戸市:

事務的にお伝えした通り、回答書以上に新たに回答する考えは持っていないが、
補足説明されるのであれば意見はお聞きする。

航空安全会議:

10月15日に運輸省航空局と交渉し、
「平成6年ごろに大阪空港・関西空港と共存できるという助言は行っている」
「神戸市ホームページに掲載の飛行ルートは神戸市が責任を持って行っている」
「飛行ルート、管制方式などは神戸市と話し合いが出来ていないが、
 あくまで第3種地方空港なので責任は神戸市にある」
というコメントを聞いてきた。
要請書の中にもあるが、これから述べる質問2点は、ぜひ答えて欲しい。

Q1. 神戸市環境影響評価書の中で、六甲おろしの乱気流について
  「かつて運輸省において風洞実験が行われた結果、空港立地に支障がない」
  と書いてあるが、運輸省がいつ、どこで実験をし、どのような結論が出たのか?

Q2. 出発ルートの高度300mでの低空水平飛行に関して、環境影響評価書に
  「那覇空港など国内他空港の事例から、安全上問題はない」
  と書いてあるが、誰が助言したのか?

神戸市:

Q1については、古いものなので資料は残っていないが、昭和48〜49年に
海上と六甲山において運輸省が調査したので、文献を調べてもらえば分かると思う。

航空安全会議:

なぜ文書がないのに「空港立地に支障がない」と言えるのか?

神戸市:

文書は見ていないが、前任者からの引継ぎはあった。

Q2については、空港設置許可を申請した時に必要だったので、市が作成し、
運輸省ですでに検証されている。

航空安全会議:

飛行ルートは飛行場設置許可に必要な要件ではないので、
設置許可が下りたからといって、飛行ルートが運輸省に認められた事にはならない。

神戸市:

飛行ルートも当然、運輸省のチェックを受けていると解釈している。
市が依頼した専門家であるコンサルティング会社からも、特に異論は出なかった。

航空安全会議:

私たちはこれまで、空港建設に対しての取り組みをしたことはなかったが、
「なぜこの位置に空港を造るのか?」という思いは、ますます強くなる。
少なくとも私たちの質問に対して、必要なデータを示して安全性をクリアーすれば、
「神戸空港は安全です」と表明してもよい。

運輸省からは、「空港が完成すれば関わるが、それ以前は神戸市の責任」と
聞いているが、完成してからどう工夫しても、危険な空港である事に変わりはない。

神戸市:

電車に乗っていても、混んでくれば座席をつめるなど工夫は誰でもする。

航空安全会議:

・・・・・・(あっけにとられて、返す言葉がない)

神戸市:

空港設置許可が出されたのは、運輸省で総合的に判断されたと思っているが、
残された課題は解決に向けて努力し、大阪湾に3空港は共存できる。

航空安全会議:

神戸空港の着陸ルートも明石大橋の影響で変則的な設定とならざるを得ない。

神戸市:

航空機の飛行性能は明らかになっているので障害とはならない。データは後日渡す。

航空安全会議:

関西空港の着陸ルートが高度600mで通過するため、神戸空港のルートは
高度300mにせざるを得ないが、どう調整するのか?

神戸市:

細かなことは分からないが、可能と判断した。

航空安全会議:

日本で初めて「広域一元管制」を導入しようとしているが、
管制する側からは複雑となり、ニアミス(接近・接触)増加の原因となる。
「空港さえ造れば、後は何とかなる」と感じるが、
どうやって運用していくのか、そのデータを示して欲しい。

神戸市:

ホームページなどで公表しているルート以外はない。

航空安全会議:

那覇空港は米軍の嘉手納基地があるために変則的な運航を強いられているが、
神戸空港はその二の舞となる。さらに六甲山があるため、より厳しくなる。

神戸市:

運輸省で今後検討してもらわなければならない。
平成11年2月10日運輸委員会において、
「管制シミュレーションを実施した結果、伊丹・関空・神戸の安全は保つことができる」
と航空局長が発言している。

航空安全会議:

運輸省の考え方はもう一度聞きに行く事になると思うが、
神戸空港がかなり制約を受けることは間違いない。
ルートに関するあらゆるデータを示し、それを根拠に話し合いたい。
そのことが市民に理解される助けとなるのではないか。

神戸市:

約束した時間も過ぎており、次の会議もあるので、そろそろ終わりにしたい。
私どもは、第一線で仕事をされている皆さんの意見も尊重しながら、
空港建設を進めて行きたい。神戸の震災復興のために無くてはならないものである。

航空安全会議:

神戸市としても、私たちの主張を運輸省に伝え、
分からないことは聞いてくる努力をするべきだ。
今回の交渉内容は持ち帰り、幹事会で今後の取り組みを論議するが、
もっと実務的な話し合いをしなければ、私たちの問題解決にはつながらないので、
出席メンバーも今後もっと考えて欲しい。

 

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