生活保護を卒業しやすくする優遇措置(保健福祉局予算)

2003年02月28日

◯分科員(井坂信彦) 
生活保護受給前と後の,主に金銭的な格差についてお伺いいたします。
まず最初に,誤解のないように申し上げておきますが,
生活保護は人生のピンチに一時的に陥った人でも,
最低限の生活ができるように保障していくという,
そういうセーフティネットとして最も重要な福祉施策だと私は思っております。

その収入が最低限の生活ラインを下回ってしまった方。
それで資産もないという場合に,生活保護を受給できるわけですが,
同時に各種の公共料金が免除される仕組みになっております。
国民年金,市県民税,固定資産税,上下水道の基本料金,
NHKの受信料,それから市バス,地下鉄のフリーパス,保育料,医療費と,
これらの優遇措置がおかしいとか,なくすべきだというわけでは全くなくて,
生活保護の受給前と後で,これだけ大きな格差,段差があるということが
問題だというふうに考えています。

生活保護を受けずにぎりぎりのところで頑張っている人よりも,
生活保護を受けている人の方が,実質手元に残るお金が多いのではないか。
あるいは,頑張って幾ら働いて生活保護を卒業しようと思っても,
卒業した途端にこれらの優遇措置が一斉に打ち切られてしまって,
生活保護のときよりも苦しい生活になってしまうのではないかと,
このような制度はやはりおかしいのではないかと考えるわけですが,
ご見解をお伺いいたします。

◯永井保健福祉局総務部長 
確かに委員おっしゃるとおり,保護を受けますと,
保護費以外に国民年金あるいは国民健康保険の免除があったり,
あるいは福祉パスの支給があったり,さらには夏期,あるいは冬期の
一時金というものあるわけですし,上下水道の基本料金の免除というふうな
福祉施策が上乗せでついてくるわけでございまして,
確かに一部恵まれ過ぎではないかというふうな
批判も聞くことは聞くわけですけれども,
これも自立助長の一環であるということで設けられている
制度でございますので,ご理解いただきたいと思いますけれども,
一方で,昨今,不況を背景にしまして,失業を理由に保護の受給がふえておると。

外から見れば働けるのに,就労もせずに
保護を受けておるというふうなことではないかという疑問から,
不公平感というふうなことがあろうかと思うわけでございますけれども,
我々の方としてはそういうことがないように,保護というのは,
局長も言いましたけれども,あくまでもあらゆる能力,資産,あるいは稼働能力,
こういったものをすべて使うと,阻害要因のない限り働いてもらうということが
原則でございまして,我々の方としては,
働けるのに働かないという状況がないように,いろんなあらゆる手を使って自立支援,
指導をやっていきたいと。3カ月という期間も区切って,
自立の支援もあらゆる手を使ってしていきたいと,
そういうことで阻害要因を取り除いて働いてもらうというふうなことを,
そういう状況をつくっていきたいというふうに思っております。
そういうことでもって,保護を受けて働けるのに働いていない,
それで保護を受けているという状況がない状況をつくることによりまして,
不公平感ということが感じられないように,
持ってもらわないようにしていきたいというふうに思ってございます。
 

◯分科員(井坂信彦) 
誤解があるといけないんですが,恵まれ過ぎだとか,
不公平だという趣旨ではなくて逆なんです。
生活保護を受けておられて,大体いろんな免除で2万円から,
バスに乗ったり保育所に預けたりすると,
もっとたくさんの格差が出てくるわけです。
それで,一例を挙げますと,パート労働をしていらっしゃる主婦の方の収入が
130万円を超えると,急にいろいろ保険がかかって,
かえって手取りが少なくなってしまうという,
130万円の壁という現象がよく知られているんですが,
それと同じようなことが生活保護でも,お金の差があるからという
現象が起こっているのではないかと思うわけです。

実際,自立支援ということでおっしゃってますが,幾らそういうことをしましても,
働くほど手取りがふえるという仕組みになっていると,
やはり人間やる気が出ないのかなと。
生活保護を卒業した後も,すべての免除や優遇措置を一斉に
今みたいに打ち切るのではなくて,段階的に打ち切って,そういう自立,
離陸の手助けをするような方法もあるのではないかなと思うわけですが,
その点についてお伺いいたします。

◯中村保健福祉局長 
生活保護の点でございます。足らずはまた部長からご答弁申し上げますけれども,
一般的に公共サービスと,その負担をどうしていただくということにつきましては,
大体のところが所得に応じて応能負担という感じになっている。

応益の部分ももちろんあるんですけれども,
福祉政策なんかは基本的に応能負担になっているということですから,
所得の多い人はたくさん,少ない人は少なくという感じだと思うんです。
そのボーダーラインとしての生活保護に入るか入らないかというところが,
非常に1つの境目になっているという,こういうご意見だと思うんですけど。
 
先ほども例に出ておりました,例えば市県民税,これらにつきましても
所得がない方はゼロなんです,ここでなくっても。
だけど所得がある方はそれなりに負担をしていただくと,
こういうシステムでございますし,あるいはまた上下水道料金の
基本料金みたいなものを,
そういうことで負担していただくのがいいのかどうかというのは,
やっぱり議論があるかと思うんです。そういう意味からいきましたら,
いろいろ難しい問題はございます。ですから,なかなか解決が今時点で
見出せないわけですけれども,基本的には部長が先ほども申し上げましたように,
まずはそういう不公平感を皆さんに与えないような感じの対応というのが,
一義的には我々にまず求められているのではないかと,
このように考えているところでございまして,申し上げましたように,
モラルハザードを起こさないような格好での指導というのをやってまいりたいと,
このように考えております。

◯永井保健福祉局総務部長 
私は少し誤解していた部分があるかもしれません,申しわけないと思います。
委員のご指摘の,ある程度のインセンティブがないと,
いわゆる就労意欲が起こらないんではないかなという点については,
保護の制度の中にも1つ勤労者控除という制度がございまして,
就労によって得た収入から一定額を控除しまして,
控除額が実質的に保護費の上積みになるという制度がございまして、
10万円ぐらいであれば2万円とか,20万円であれば3万円とか,
そういった控除制度がございますので,そういったものについては
大いにPRをして,それをインセンティブとして
指導もしていきたいというふうに思いますけれども,
基本的にいわゆるそういうインセンティブがなくても,
保護の法律から言えば,やはり働ける能力があって,
阻害要因がなければ働いてもらうと。

むしろ働かない状況をほっておくことがいけないと。
働く義務があるということを,私は言いたかったわけでございまして,
そういうふうな阻害要因,働けない阻害要因,職がないとか,
そういった阻害要因というものをできるだけ取り除いて,
働いてもらえる状況をこちらの方からつくっていくということに努力したいと。

そういうことでもって,不公平感というふうなことがないように,
そういう見方をされないように持っていきたいなというふうに思ってございますので,
ご理解いただきたいと思います。

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