2003年09月29日
◯理事(井坂信彦)
クリニカルパスということについてお聞きしたいと思います。
クリニカルパスというのは,最初に患者さんをしっかり診療して,
この患者さんはこの病気だと診断が決まったら,あとは,この病気の場合には大体,
例えば最初の3日間は朝晩点滴をして,薬はこれを何粒,
3日目には熱がこれだけ下がっているはずだから,薬をこれに切りかえて,
7日目には退院できるというような診療計画を1枚つくって,それに基づいて,
いわばオーダーメードではなくて,レディーメードの医療を提供していくという。
医療費の標準化というコンセプトで日本にも取り入れられた
仕組みだというふうに聞いております。
実際,中央市民病院でもお聞きしましたところ,現在81本のクリニカルパス。
それから,西市民病院にも26本のクリニカルパスが既にできていて,
日々使われているというふうにお聞きしています。
これらのクリニカルパスの1つのメリットとしては,患者さんに,
あなたの病気はこういう病気ですよと。こういう段取りで治療をしていって,
大体これぐらいの時期にはこういうふうに治って退院できますよというようなことを,
あらかじめ標準的に示してあげることで,情報提供,
インフォームド・コンセントという役割を
期待されての導入面があると思うんですけれども。
ただ,私は,本来このクリニカルパスのもっともっと期待されるところは,
やはり経営改善の面ではないかと。
市民病院では,まだ紙ベースのクリニカルパスということなんですけれども,
やはり経営効率の面でクリニカルパスの本領を発揮しようと思えば,
これはもう電子化がやはり一番の方法ではないかというふうに考えます。
例えば,最初にこの病気というふうに診断されて,
このクリニカルパスでこの患者さんを治すというふうに決めたら,
あとはちゃんと定期的に薬の発注がされて,関係部署への指示もきちんと漏れがないように,
タイミングよく電子的にされると。
そこまでいくと非常に全体的な医療の経営の効率化が
図られるのではないかと思うわけですけれども,
このクリニカルパスの電子化ということについて,
今の市民病院の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
◯中田保健福祉局病院経営管理部長
クリニカルパスは入院患者さんへの治療計画といいますか,
どういったような患者さんに治療を施していくかというのを,
事前にドクター,あるいは医療スタッフが企画をして,
患者さんに説明をするというものでございますけれども,これはご指摘のように,
在院日数の短縮でありますとか,あるいは病院の経営の効率化につながるためにも,
病院全体で積極的に取り組んでいるところでございます。
作成に当たりましては,市民病院それぞれの,市民病院ごとに
クリニカルパス委員会というものを設置をいたしまして,おっしゃいますように
症例数の多い疾病から,現在,中央市民病院では81種類,
西市民病院では26種類のクリニカルパスを作成をしております。
これは,今後ともほかの病院なり,あるいは院内での検討を通じ,
増えていくものというふうに思われるわけですけれども,
ご指摘のあったクリニカルパスの電子化,システム化についてでございますけれども,
これはもちろんそれ単独で行うものではありませんで,
電子カルテとあわせて導入すべき課題というふうに考えております。
市民病院では,現在も予算をいただきまして,IT化の推進を調査を進めております。
今年度も,そのIT化の調査費を電子カルテの導入についての研究を進めております。
電子カルテを導入するに当たりましては,病院業務の運用を詳細に決めるシステム化,
これが必要でございまして,具体的にはいわゆる治療,
あるいは診療方針の標準化でありますとか,医療技術に関するものの
標準化でありますとか,あるいは情報伝達,それから物流でございます。
こういったもののそれぞれの課題への標準化をしまして,
システム化することによりまして,ご指摘の点は解決をしていくと,
効率化につながっていくというふうに理解をしております。
ただ,ご承知のように,電子カルテの導入につきましては
多額の経費が一方でかかりますので,いわゆる運用経費も合わせまして,
病院事業会計の中で,今は非常に厳しい状況にあるわけですけれども,
今後の経営状況も勘案しながら,あるいは費用対効果も見ながら,
十分に検証していきたいというふうに考えております。
いずれにしましても,電子カルテ化は,将来の1つの方向という
認識で取り組んでまいりたいと思っています。